2005年9月5日

昨日は90分間にわたり、シュレーダー首相とCDUのメルケル首相候補が、テレビ討論を行い、その様子が全国に生中継されました。得票率の45%を確保すると見られているCDUですが、メルケル候補の主張の内容のなさには、(ほぼ予想していたとはいえ)がっかりしました。つまり、どのような政策によって失業者を減らし、財政赤字を減らし、ドイツの国際競争力を高めるのかについて、具体的な提案がなかったのです。ただ「変化が必要だ」と繰り返し、同党のホームページに載っている内容を語るだけでは、全く説得力がありません。

シュレーダー首相のほうは死に体であるせいか、堂々として落ち着いた話しぶりで、「政治家」の風格と押しがありました。メルケル女史は、まだ新しい役割にあまり慣れていないように見えました。

シュレーダー氏が「メルケルさん、あなたがイラク戦争で犯した過ちを繰り返さないように」と言った時、メルケル女史は反撃できませんでした。ドイツでは、討論で批判された時に、すぐに反論しないことは、相手の主張を認めたことになります。メルケル女史は、シュレーダー氏に対抗するために、2002年にイラク戦争を支持し、ワシントンではラムズフェルト国防長官に昼食にまで招待されたのです。

私はメルケル候補は日和見主義者であり、首相の器ではないと思います。CDUの人材不足には、憂うべきものがあります。

明日から16日までイスラエルにおりますので、次の更新は17日以降になります。